【夏の夜の怪談】猫探偵が体験した、背筋が凍るような捜索の話
【背筋が凍る】暑い夏にぴったりな、猫探偵の怪談
「猫が脱走して見つからないんです…」
そんな悲痛な声を聞き、私たちは日々、お客様の大切な家族を捜しています。
しかし、この仕事をしていると、時折、科学では説明できないような、不思議な出来事に遭遇することがあります。
今日は、夏の暑さを吹き飛ばす、猫探偵ならではのちょっぴり怖い話をお届けします。
夜の墓場で背筋が凍った話

京都府亀岡市にお住まいのH様は、先代の愛猫を亡くし、深い悲しみの中にいらっしゃいました。そんな時、庭に現れた小さな子猫に運命を感じ、新しい家族として迎え入れた矢先、猫ちゃんは網戸のわずかな隙間から外へ出て行ってしまいました。
私たちはすぐにお伺いし、夜間捜索を開始しましたが気配がなく、翌朝、チラシの効果で「裏のお墓で似たような猫ちゃんがうろうろしているのを見かけた」という情報が入りました。私たちは夜から改めて捜索を開始することに。
街の喧騒とは違い、とても静かな夜の墓場。低い作りのお墓を吹き抜ける、真夏の生ぬるい風がなんとも不気味です。街灯はなく、頼りは薄暗い月明かりだけ。背筋が凍るような感覚を味わいましたが、これも仕事です。私たちは、お墓の一つひとつを丁寧に調べ、墓石の戒名に手を合わせ、「お邪魔します」と心の中で声をかけながら確認していきました。
「幽霊猫」かと思いきや…まさかの出来事
一通り捜索していると、1メートルほど先で、猫ちゃんがこちらをじっと見ています。しばらく睨めっこが続きこちらが移動すると猫ちゃんもいどいうしてきてじっと見ています。
そろそろ保護のタイミングと判断し保護機を置いて様子を見ることに。お腹を空かせているらしく、猫ちゃんは何度も保護機の周りをうろうろしています。しかし、なかなか中に入ってくれません。
そうこうしていると、「ガチャン!」と保護機が閉まる音がしました。
「やっと入ってくれた!」
私たちは安心しましたが、なんと、中をのぞくと保護機は空っぽ。「え?でも閉まってる…」不思議に思ってカメラを確認すると、動画には確かにイタチが入ったことが映っていました。しかし、何度確認しても保護機は空っぽです。「うーん不思議です。」夜の墓場なので、こんな怪奇現象もあるのかもしれない…私たちはそう思いながらも、捜索を続けました。
経験に基づいた「手動」での保護
しかし、私たちは諦めません。自動の保護機は思わぬ事態を招くことを経験で知っていたからです。私たちは、カメラで猫ちゃんの行動をじっくり観察し、猫ちゃんが最も警戒を解くタイミングを見計らいました。
そして、最終的には私たち自身の判断で、手動式の保護機を使い、見事、猫ちゃんの保護に成功しました。
今回のケースは、猫探偵の仕事が、単に機材を設置するだけでなく、現場での経験と判断力がいかに重要かを再認識させてくれました。どんなに奇妙な状況でも、お客様と大切なご家族の再会を信じ、真摯に向き合うこと。この信念が、猫探偵にとって何よりも大切だと私たちは考えます。
文責:保護猫活動を10年以上続けてきた保護の経験豊富な猫探偵より